SOLO Flight

パイロットなら、ソロフライトの日は絶対忘れることはない。

教官なしで一人で飛ぶのだから、すげえ怖い・・・

そりゃさ、教官が「こいつは一人で飛べる」とサインしたんだから、理屈では行けるんだろうけど、

一人で全てなんとかしなきゃならないんだぜ、誰にも頼れないんだぜ。

 

よく「うるさい教官がいなくてSOLOはいいわ」とかいうヤツに限って、ビビりまくる。

よく飯を食べる現役B737PILOTなんか、着陸が怖くなりゴーアラウンドすること数回

でも自分しか降ろせないんだから、なんとか降りたそうな

さて、今回のSOLOフライト

教官と2回離着陸を行い駐機場まで戻り、エンジンは切らずに教官が降りて、教官席に重りを搭載

「じゃ4回離着陸したら(高度250mまで上がり、空港周辺の決められたパターンをまわり)戻ってきてね」と一人に

 

飛行中、何度もチェックする暗唱のチェックを開始

「Engine Instruments all Green」

「Caution Light、Warning Light OFF」

「Right Trim off」

「CAT out of yellow」

管制塔(厳密に言うとフライトサービス)にタクシー許可をとると

ん?なんか、左席(副操縦士席)に動く物が

「まずい、まずい、まずい」

タクシークリアランス・レシーブ(滑走路手前まで進む許可を得ている)だが、直ちに

「Collection hold on the spot」駐機場で待機を通告

 

なんと、コクピット内にわりと大きな蜂が侵入しており、さすがにこのまま上がったらヤバイだろ!

エンジン出力をグランドアイドルにしたため、異変を感じた教官が駆け寄り

「なんだ、怖くなって飛べなくなったのか」

「す、すいません蜂がいるんですエンジン・シャットダウンしますか?」

「そのままでいいよ」=操縦席から離れなられない

結果教官が、ジャケットで蜂をコクピットから追い出して、フライト再開

 

「トンビとのコリジョン・コースだけは注意してな」

と言われていたけど、トンビにも目配りしなきゃいけないのが難しい

アプローチ中にも、トンビがランウェイで休んでいやがる。

ベテランパイロットも「カラスは頭いいけど、トンビはアホなので注意」と言う

こいつらが上がって来たら、ゴーアラウンドだな!

MAX POWERを入れてはまずいので、MAPゲージを見て・・・と頭を巡らせながら着陸

こうして、なんとかソロフライトが終了

いや~怖かったぜ

左席に重しが載せてある。

それでも、最大離陸重量が600kg程度なので、

教官が降りただけで重心が変わり、操作性もパワーセッティングもだいぶ変わるわけよ。

 

なお蜂の件は、降りた後に「良いジャッジでした」と言われ安心。

無理してリスクをしょって飛んではいけません・・・