ときどきPILOTになりたいという相談を受ける。
これがアメリカなら、飛行教官、ヘリ、BIZ JET、ブッシュパイロットなど民間でもいろいろな道がありおもしろいが、
日本だとみんなパイロット=エアラインしか知らないし、頭にない。
航空大学校か自社養成に行ければいいが、別コースとして法政、桜美林、東海などの大学PILOTコースへ、それも難しいとかタイミングを逃した、アメリカ留学ついでになどだと自費コースだが、あらためて自費(大学も同じくらいかかるが)の費用を調べてみると
日本のエアラインの免許持ち対象の受験資格(事業用多発計器)フルライセンサー
つまり応募のスタートラインの資格を取得するまでに航空身体検査と適正があってさらにこの資格取得するのに、最低1500、いや2000万円かかる。場合によってはそれ以上という人もいる。
そしてこのスタートラインに立ってエアラインに入社できて、実際にパイロット発令される人の割合は、仲間へのヒアリングや知り合いにいろいろ聞いた肌感覚で言うと60-70%、もう少し上か
いや~お金がないとスタートラインにも立てない。
実際、フルライセンサー20代、PILOT志望でなれていない人も多く出会うのが現実。
アメリカで訓練する方法もあり英語力もつくし、アメリカを進めたいが、現地で仕事するにはVISAというかなり高いハードルがある
なお、たまに「アメリカ行けば車の免許みたいに簡単にパイロット資格取れるんですよね」と言われるが、「オメー問題集見たことあんのかよ!」と反論してあげたい。
とはいえ、それでも早く始めないと、若い方が就職するにも有利
さらにはポジティブな話として、私が訓練所にいた時代はLCCもなかったので就職率はほぼゼロ
それに比べりゃ、今はなれる確率はだんぜん昔に比べりゃ高い
私の場合はもともとパイロットになる気はなく、エアラインマネージメントの方に興味があったし、なにしろお金がなかったので、まわりの訓練生は親の仕送りで上の資格を取得するのを見ていた。
さらにはプロパイロットは一生勉強だから、勉強嫌いの私には無理
(訓練生時代の仲間と、@エルトロ基地へレーダー見学の研修に)
少し前まではパイロット不足と言われていたが、このところ業界関係者と話をしても航空業界はV字回復はなく、レの字回復 つまり元にはもどらないという意見も多数あり、どうなるんだろうか?
若い方には頑張ってほしいし、私なんか若い時にお金がなくて上の資格が取れなかった反動で、今年からヘリ訓練をやっている。
まわりにも「自分と決着をつけるためにタービン資格を取得しに行った」とかそういう若いころ貧乏だった人もいる。
自社養成か航空大学校以外は、金がないと夢も追えないというのも現実である。