限定変更試験 フライト編Part2

試験当日はパイロットシャツであり、こんなラフな格好ではない

そんで空港に戻り、まずはノーマルアプローチ

まあこれは良いのだが風が強くて揺れるのと、タイミングが悪く1回ホールドした後に

ソラシドエアの737-800のあとに続いて着陸

ノーマルアプローチはこちらもパワーが入っているけど、風が8ノット、B737の後方乱気流があるので

通常1100ftで進入を1400ftで進入、そうすると降下ポイントがずれるのでいきなり応用編でスタート

離陸は前方に50ftの障害物があると想定しMAX POWERテイクオフ

熊本空港は標高632ftなので、出力80% 35ノット姿勢 かなり垂直に近い感じで上昇

700ftに達すると「障害物クリア、増速、セットMCP(マキシマム・コンティニューアス・パワー)科目終了」

この写真を見ると、空港は高台、その向こうは標高が下がり市内の建物が見え、さらに先は有明海

2回目の着陸はSteep アプローチ(前方の障害物を超えて急降下して着陸)

まあこれは前方がセスナ172だったので、それほど問題なくこなして終了、再び離陸

3回目はエンジン停止想定でオートローテーションという緊急降下だが、前方に離陸する天草エアラインがいるじゃないか

オートローテーションはエンジン停止状態なのでパワーがないから、プロペラ機でも後方乱気流が嫌だ

少しセパレーションを取りアプローチ、

このオートローテーションが同時に3つの計器を一度に見て緊急降下なので死ぬほど難しく、めちゃくちゃ大変

これをこなして

駐機場に戻り、ホバリング中にエンジン停止という科目でホバーオートローテーションという課題で終了

ブリーフィング室に戻り、デブリーフィングで結果

判定としては「合格です」をいただき、これでジェットパイロットに

(そもそもアメリカの資格は乗れる)

おおかた日本にあるヘリは乗れることになった。

いや~しかしヘトヘトです・・・

とりあえずなんとか合格できて良かった~

限定変更試験 フライト編その1

そろそろフライトに行かないのか と言われそうなのでフライト試験へ

そもそも口頭質問に合格しないと、フライト試験に行けないのである。

そんで、セスナだろうがヘリだろうがボーイング787だろうが、試験内容というかやることは同じである。

しかし、こんな試験 大人になって何度もやるなんてプロパイロットは良い商売ではない((笑)

さて機体へ行くと、プリパレーション(準備)プリフライトチェック(飛行前点検が行われる)

装備品確認、後ろで試験官が見ていて、このアンテナはなに?

装備品の救命胴衣は搭載してますか?どこですか?これって必要ですか?とか突っ込みが入る

燃料だって

使用燃料は何ですか?

「JET A1です」

他は使えないんですか?

どういう特徴がありますか?

添加剤は必要ですか?

何度まで使えるんですか?とか

めちゃくちゃ突っ込みが入るわけよ

さてフライトだが、熱帯低気圧通過後でようやく飛べるコンディションになったから、いきなり他の訓練機や熊本なので崇城大学の訓練生も飛び出してめちゃくちゃ忙しい

そんで熱帯低気圧通過直後だから風が強い=フライトがしづらい、揺れる=操縦がセンシティブになる

めちゃくちゃ嫌なコンディションじゃん、最悪だぜ!

そんでフライトは、今回型式限定変更試験なので、まずは空港の外の空いている空域に行き課題が出される(最初のパイロット試験だとナビゲーション(航法)とかもある)

この日は熊本空港の北にある菊池市上空へ向かう、できれば高度2500ftまで上がりたいが、2500ftに達すると、前方にちぎれ雲があり、雲に接近しすぎたら試験中止になるので

「2500ftだと雲があるので2000ftに降下して巡行します」とインテンション(こちらの意思)を伝えてフライト

「それでは課題を出します、ジェネレータがフェイル(使用不能)になりました。どうしますか?」

チェックリストを出して(本来はヘリは手が離せない)確認、異音振動があれば緊急着陸、ない場合はチェックリストにしたがい、手順(もちろん飛ばしながら)でトラブルシュート

ジェネレータ(発電機)フェイルなので、熊本空港に戻りますが、電装品は最低限にとどめるため装備品をOFF, じゃ無線機はどうするんですか?

これが夜の場合はライトはどうするんですか?と突っ込みが入る

他にも「エンジン停止、火災発生、最低安全高度まで手順通りお願いします」という課題

パンパンコールという緊急通報を行う(まね)

「ただいまから緊急着陸を行います、シートベルト再確認お願いします」と発声、エンジン停止、前方の川の手前の田んぼに着陸します!と言いながら緊急降下

他もCautionランプ(トラブル発生のランプ)が点いた場合(いろんな種類あり)や、最後はラダーペダルが固着して動かなくなりました(左席の教官がラダーを中途半端に踏み、私は足は操作しない、できない)どうしますか?

「熊本空港に帰投します」

どうやって着陸しますか?管制には?機体の向きは?

ではベースレグ(着陸経路)までラダーペダル固着のまま操縦してください。

という要領である。

もう手は汗でびっしょり、これでフライト試験前半が終了、空港に戻りこのままフライト試験後半へ続く

限定変更試験NOTAM

一部の方にはウケている限定変更試験のブログだが、

飛ぶ前にはまだまだやることがあり、正直段取り6割フライト4割というところ

NOTAMという Notice to Airmanというのがあり、

現在この空港はここの誘導路が工事中で入れませんとか

(この間ANA機が広島空港で夜見えづに工事中の誘導路へ入ってしまった、あれは見えづらいので気の毒でパイロットを責める気にはなれないが、当然NOTAMに出ている)

ここは工事中で鉄塔が立ってますとか、そういうの

これがNOTAM

さらには最近はドローンのNOTAMも出ているので、それもプリントアウトしてチェック

例えばこの日は阿蘇で熱気球が上がるので注意とか、ドローンは500ft以下だが、緊急降下の際は注意とか

そういう配慮も試験なので言わないといけない

飛ぶ空港は熊本だが、ダイバード先の佐賀、天草のNOTAM、空港地図、周波数、アプローチデータも全て用意して

試験官にその旨を伝える

実際に以前試験中に熊本空港が滑走路離脱機により空港閉鎖

試験中に佐賀空港にダイバードして試験合格というケースもあったそうで

これが終わると、プリフライトチェックへ行ける(飛行前点検)

フライトプランの機長名は私、

フライト内容はREMARKSにCABチェックと伝えるが、管制がこのREMARKSに気が付いてくれるかは分からない

CABチェックだと親切にしてくれたという人もいれば、そんなの都市伝説でCABチェックでも管制通信は容赦なかったという人もいる((笑)

まあ私は無線通信は得意な方だから、そこはあんまり心配していないのだが問題はフライトである。

 

 

限定変更試験のバディ

今回訓練の最終にあたり、同じ日に試験を受けるバディがいた

これから書く年齢はだいたい(おおよその年)だが、今パイロット不足なので

教官80歳、バディの方65歳、お二人共に元自衛官で陸上自衛隊出身

教官はヘリで飛行時間10000時間(エアラインで一万時間は自動操縦だがヘリは手動が基本なので、めちゃくちゃベテラン)

バディの方は5000時間(へり3000時間、飛行機2000時間)で彼はレシプロエンジンの機体の資格を取得(私はタービン)で

3000時間乗っても彼が今回受験するロビンソンR-44の操縦は難しいそうな

 

元自衛隊の方々が上下関係が辞めても続く(もちろんポジションや現在のお立場もある)ようで

80歳の教官が現役バリバリの時は、怒鳴る、たたく、蹴るは訓練のデフォルト

民間人の私には教官も親切で、訓練中に滑走路手前で接地して待機中に右手を一瞬離すと「手を離すな!」と軽くたたかれた程度だが

ブリーフィング中に80歳の教官が65歳の訓練生に

「お前なんか辞めちまえ!帰れ!」とか

訓練中も

「このバカが!!!」とか

「お前それでも自衛隊か!」と喝が飛ぶ、(もちろんすでに退官しているが、アメリカのネイビーシールズが

Once a S.E.A.L, Always a S.E.A.L. 一度シールズならずっとシールズ)のように

一度自衛隊だと退官しても自衛隊のようで、65歳で怒鳴られるって怖い世界である。

なお先月試験を受けた50代の元自衛隊パイロット(現在は訓練所の職員)に言わせれば

「お前なんか辞めちまえ!帰れ!」 あれはデフォルトです。

フツーです。

との事で、彼らが現役バリバリは30年前としたら納得である。((笑)

私が乗る機体、計器が多い=カッコイイ と思っていたが

試験だと、計器が多い=全て使えないとまずい、いろいろ聞かれる

計器が多い=やる手順が多い 質問されたら答えないといけない、という試験だとマイナスなのである。

ちなみに、80歳の教官

操縦させたら当然だがめちゃくちゃ上手い!神の手であります。

80でもバリバリ飛べます。

操縦技能証明限定変更 ウェザーブリーフィング

前のブログの続き

試験である。緊張しない私でも、ドキドキはしないが、試験となると嫌である

口頭質問が無事にクリア 全ては答えられなかったが

教官いわくあとで

「よく勉強していたね」

「いや~全部答えられなかったです」

「そりゃそうだよ、100点とる人はいないから75点でいいんだよ」とありがたいお言葉

そんで、搭載燃料、オイルの品質などの説明を行い(当然そこでも、試験官から突っ込まれる)

燃料は何ですか?揮発性は?どういう特徴がありますか?気温何度まで使用できますか?添加剤はいりますか?

規定にはどう書いてありますか?ほかの燃料は入れてよいんですか?

などなど燃料だけでも質問が多岐にわたる。

これが終わると

機体重量計算(一部加工してある)

機長として自分、試験官、教官が同乗するので体重を伺い計算、重量分布を説明(インチ)

飛行機は前後の計算のみだが、ヘリは左右もある、

そんで、全て範囲内です。

「燃料が減ったときは、どのくらい重心位置が移動しますか?」とか突っ込まれる

これが終わると、ウェザーブリーフィング

指し棒を持ち「本日のウェザーブリーフィングを始めます」

というわけで10枚くらい天気図や予想図を並べて解説するのだが、この日は熱帯低気圧が通過する日で

フライトがすぐできない、解説を終えて自分の見解を述べなければならない

「こういう予報やデータをもとに解析すると、15時ころには飛行が可能と判断されます」と報告!

熊本から、そこら辺飛ぶだけでもアジアの天気図から解説しなければならないわけよ

ウェザーブリーフィングのOKが出ると

搭載危険物の解説(機長なので)どんなものを搭載してはいけないかを確認して

試験官が

それではEOBT Estimate off blocked time (移動開始時刻)0400(世界標準時)でフライトプランを入れてください

となりとりあえず学科関連は終了

 

この学科が通らないとフライトテストに行けないのである。

もちろん学科が通らず三度目の試験という方もわりとそばにいたりするので、気が抜けないのだ

 

フライト編に続く

国土交通省航空局 操縦技能証明 タービン限定変更試験 口頭質問

私、飛行機のパイロットライセンス 日本では飛行機(固定翼という)の操縦技能証明

というのと ヘリコプター(回転翼と言う)の操縦技能証明を持っているので

飛行機もヘリコプターも飛ばせるが、これもいろいろややこしくて

アメリカでヘリコプターのパイロット試験を受け、アメリカでは大型のヘリ以外は訓練すれば飛ばせる資格があるのだが

日本に切り替えると試験を受けた機種のカテゴリーしか機長として飛ばせないというややこしい事になる

なので、これまではレシプロエンジンのヘリコプターしか日本で機長ができなかった

 

が、しかしジェットヘリに乗る機会も多く、ここ二年かけて訓練を行いジェットヘリの資格を取ろうとしていて

その実地試験が行われた。

こういう「航空従事者試験場」というところで、試験費用をすでに支払いしているので

試験官が国土交通省航空局より来て、まずは口頭質問から行われる

持参する「飛び道具」も多く、フライトコンピュータ、プロッター、航空法、チャート(有効性がある地図)、AIM-J(飛行マニュアル)

など

そんで、まずは機長として書類の説明

個人情報などがあるので一部加工しているが

パイロットライセンス、無線免許、身体検査証が有効な事、

そして機体の登録証、耐空証明証、無線局免許状、現在耐空検査(車検みたいなの)を受けてどのくらいか

改善命令が出ていないか、エンジンの規定整備からどのくらい飛んでいるか、などなど延々と説明する

そして飛ぶ時の必要書類も解説

法73条の2 「機長は、国土交通省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないこと

その他運航に必要な準備が整っていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない。」   この規定に基づき 施行規則 164条の15 に従い確認を行います。

まずこれに先立ち「航空機の備え付け書類」の有効性の確認を行います。

という感じで延々言わなければならない

 

これが終わると

どうぞお座りください。となり

小一時間、根ほり葉ほり、知識を口頭質問される、

すでに試験官が決まると諸先輩方が残した「こんな事聞かれた」リストに基づき

自分で200問程度のQ&Aを制作していて、しっかり勉強したが

「エンジンの図解を書いて」とか

「油圧のシステムの図解を書いて」

「燃料系統は?図解を書いて」

「H/V曲線(適切な離着陸のラインの図)を書いて」

とか、機体を見るとだいぶ機体が透けて見えるくらいになったが、

え、それは知らないし、俺メカニックになるんじゃないんだけどなと言う事まで突っ込まれる

 

法律、空域、地図の見方、システム、気象などどんな質問が来るか分からないわけよ

これで一時間、すげえ冷や汗をかきながら、試験が続くのでありました。

一対一の口頭質問、後ろに教官はいるが当然口は出さないので、なかなか厳しいんだぜ

 

ウェザーブリーフィングに続く

 

癒しの南阿蘇鉄道

熊本空港でグランドスクール(学科)とフライトを行い、緊急操作などを行いヘトヘト

夕方、日没が19:30頃で、リフレッシュするために車で20分ほど走った南阿蘇へ

南阿蘇は景色も良く、個人的にめちゃくちゃ癒されるロケーション

とりあえず長陽という駅に行き(土日は駅舎内がカフェとしてOPENしている)

旧 国鉄高森線

こんなレトロな木造駅舎 渋いわ~

こんな駅をうろうろしていると、おばあさんが線路を渡ってゴミ袋を持ってゴミ捨てへ

もちろん踏切なんかないけど、これが日常なのだろう

そうこうしているウチに気動車が到着

昔はC12が走っていて、子供の頃はキハ20や58とかが走っていた(田舎がこの奥なので知っている)

南阿蘇って車で走っても飛んでも素敵です。

静岡空港から熊本空港までどうやって行く?

静岡空港で仕事の後に14時代には熊本空港入りしなければならない

そうなると

現在静岡~熊本空港線は運休中

となると

・羽田経由 (静岡空港まで行っているのにまた東へ戻るのか)

・セントレア経由 運休中

・小牧経由 悪くないけど、週末で高い

・セントレアから福岡 セントレアまで行き、また福岡から熊本空港へ新幹線かバス移動もめんどくさい

・静岡空港~福岡へFDAで飛び新幹線 週末で朝便は満席

・伊丹から熊本へ 昼便はAMX 天草エアライン

というチョイスだが、天草エアライン乗るのはおもしろそうじゃん!

が、しかし

よりによって欠航かよ!

一便早い便に乗るのは朝一で静岡を出なくてはいけないのと満席でなし

この日は土曜日でいろいろ検討したが、うまく行かず

BESTはかったるいが、

宿泊地(浜松)から新幹線ひかりで新大阪

新大阪から「さくら」で熊本へ

窓席がとれたので、勉強しながら移動

熊本駅から肥後大津駅へ豊肥本線で行き、これで14時代に熊本空港へ到着できた

新幹線は東京ー名古屋くらいで飽きちゃうけど、天気が良い窓側なら

大阪~熊本もまあまああり、

まあ飛行機に乗れなかったので仕方ない

せっかく天草エアラインに久しぶりに乗れると思ったのに残念である。

なおこちらの写真は静岡空港の最寄り駅 金谷駅のバス停で見かけた大井川鉄道

左端に旧近鉄特急がいる

私は東京生まれだが近鉄特急というと、このオレンジ&紺色のイメージである

静岡空港でマレーシア王室機

先週 静岡空港で撮影したマレーシアの政府専用機

正式には、というか登録記号をたどるとジョホールバル(マレーシア南部でシンガポールとの国境の町)君主機

めちゃくちゃGOLDなB737-800 BBJ2 つまりビジネスジェット仕様機

情報によると王女様が来たそうで、情報はVIP機なのでシークレットであまり撮りに来ている人はいなかった

尾翼のロゴは王室なのか

そんで登録記号は9M-III

静岡空港でVIPを降機させてNRTへフェリー

 

これのついでにFDAの黄色「島根のしまねっこ」デザイン機を捕獲

FDAの黄色は撮ったことあるけど、しまねっこロゴは初めて

また静岡空港でイベントも検討しているので、秋で富士山が見える時期で撮影会やりたいなと考えている。

 

 

練習用Garmin

最近乗る飛行機もヘリもグラスコクピット(モニター画面)が多いので、

地上で練習するソフトが計器を作る会社から提供されている

これで周波数や気圧高度計の数値を変更したり、地図や気象レーダーにしたりいろいろできるが

いろいろできすぎて難しい

なので最近はIpadにシステムを落として練習できる

これで移動中にポチポチやってMAPモード、気象レーダーモード

オートパイロットモード、周波数変更などお勉強

やっておかないと、ワンオペの場合、飛ばしながら

「どうやるんだっけな~」とか「やべえ、周波数ってどうやって変えるの?」とかになっちゃうぜ

最近はタッチパネルの機体も多い、このヘリもそう

グラスコクピット だいぶ慣れたけど

たまには針のアナログ計器の飛行機にでも乗ろうかな~